ゲーム開発

エピソード豆知識

栗田 哲くん

未来価値創造大学校とは

未来価値創造大学校 アドベンチャー
コース1回生。
2016年夏に授業で「食べ残しNOゲ
ーム」を考案しました。
外食産業の食べ残しを未然に防ぐ解
決策の仮説を立て、彼が好きなカー
ドゲームにすることで、楽しく学ん
でもらうことを提案しました。
「社会力」「人間力」「創造力」を
高める教育をし、「創業士」を目指
す大学校です。
未来価値創造大学校では、自ら未来
を作り上げていくことのできる人を
育てます。人々が幸せになるような
新しい価値を創造していく人のこと
「創業士」と呼んでいます。

アドベンチャーコースとは

1、自分の持っている問題や課題を解決する事をテーマに3ヶ月で自ら考え答えを出す。
2、自分以外のこと(社会)で問題や課題を発見し、その解決に3ヶ月で挑戦する。

小学生から高校生を対象としており、 自ら社会課題を発見し、問題解決に挑戦する 6ヶ月間(3ヶ月+3ヶ月)のコースです。
まず、授業全体では大きなテーマを決めます。それに沿った小さなテーマを各々が持ち、解決方法を考えて発表します。
周りからは意見やアドバイスがあり、情報を共有し合い、参加者全員で内容を創り上げていきます。
テーマに沿った授業なので、内容は毎回全く違い、新しい発見や気付き、解決するためのヒントが散りばめられています。
課題の模索
栗田哲くんは未来価値創造大学校のアド ベンチャーコースに入学し、 まず3ヶ月間で自分の中の課題、次の3ヶ 月間で社会の課題について考えました。
フィールドワーク
哲くんは「日本を良くしたい」という目標を
掲げました。しかし、目標が大き過ぎるため
に課題を絞ることにしました。
その中でも、気になった「食品ロス」に絞る
ことにしたのです。
そこで、将来はお父さんが経営している会社
を継ぎたいと考えていたので、実際に飲食店
での課題を把握する為、店舗でフィールド
ワークをすることにしました。
大量の食品ロスを
目の当たりにする

フィールドワークでは店舗の裏側を見たり、
店員さんから話を聞きました。
店舗に入って見ると、お客さんの食べ残した
キャベツが大量に捨てられていたのです。
ショックを受けた哲くんは実際に食べ残しの
量を調べていくと、想像を超える量が廃棄さ
れており、日本だけでなく世界中で問題にな
っているということを知りました。
仮説
この「食べ残し」の問題を解決するにはどう
したら良いかを考えました。
哲くんは、お客さんの「食べられる量」と商
品の「グラム」の差にあるのではないかとい
う仮説を立てました。お腹の空き具合と注文
した量の差があることで食べ残すのであれ
ば、「食べられる量」と「グラム」の合計がぴっ たり合えば「食べ残し」は未然に防ぐことが できるのではないかと仮説を立てたのです。 外食の際の食べ残し問題を解決するには、ま ず広くこの事を楽しく知ってもらうことだと 考えました。同世代の子ども達に知ってもら う物にしたいと遊びながら食品ロスを考えら れる「カードゲーム」を考案しました。
試作
まず、カードゲームの試作を作る為に自室に
こもり、ルールを考え画用紙を切ってカード
を作成しました。
「食べる量は人によって違うから、お客様は
様々な年齢や職業の人に」
「カードにグラム数を入れて食べられる量と
提供量をわかりやすく」
など色々なアイデアを盛り込みました。
トライアンドエラー
初期のカードゲームは、ルールが複雑だった
こともあり、兄弟や他の小学生にも遊んでも
らい、改善を繰り返して完成度を高めました。
ペーパーファンディング
ペーパーファンディングとはお金を出資して
いただく人を見るけるためにチラシを作成
し、出資者に直接説明したりプレゼンをする
ことです。
本格的に商品化を進めることになった時、授
業の中で、大勢の大人に発表する機会があり、
ペーパーファンディングを活用することにし
ました。
その結果、220万円もの資金を集めることが
できました。
商品化へ
製品化を進めていく中で、何度もテストゲー
ムを行いました。そして、多くの講師やボラ
ンティアの協力を得て商品化を実現したので
す。
SDGsへの取り組み
SDGsは「Sustainable Development
Goals(持続可能な開発目標)の略称で貧困
や教育、気候変動のような地球規模で考え
る問題に向き合うため2015年9月国連で採
択されました。
2030年の達成を目指して17分野の目標169
のターゲットを掲げています。
食べ残しNOゲームは、SDGsの8つの分野
に取り組んでいます。

食品ロスについて解決策を考える際、1「貧
困をなくそう」12「つくる責任つかう責任」
という目標が頭に浮かぶが、突き詰めて考え
ると1「貧困をなくそう」2「飢餓をゼロに」
4「質の高い教育をみんなに」10「人や国の
不平等をなくそう」13「気候変動に具体的
な対策を」14「海の豊かさを守ろう」15「陸
の豊かさも守ろう」といった目標などとも深
く関連していることが見えてきます。
様々な環境で活用されるゲーム
年代を問わず食品ロスを学べるのはもちろ
ん、会社で新人研修で使われたり、SDGsを
学ぶ教材としても活用されています。
環境の授業で行っている出張授業や消費者
教育の教材としても注目されています。
キッズデザイン賞受賞
キッズデザイン賞は「子どもたちが安全に暮
らす」「子どもたちが感性や創造性豊かに育
つ」「子どもを産み育てやすい社会をつくる」
という目的を満たす、優れたデザインを表彰
する制度のことです。食べ残しNOゲームは
2018年に「子どもたちの創造性と未来を拓
くデザイン部門 消費者育成部門」でキッズ
デザイン協議会会長賞を史上最年少で受賞し
ました。
メディア
当時小学生だった児童が食品ロスの問題を
カードゲームで解決しようとする取り組みと
SDGsの取り組みを目標にキッズデザイン賞
を受賞したという話題性もあり、テレビやラ
ジオ、雑誌、インターネットと多方面で取り
上げていただいています。

現在も食べ残しNOゲームは、
小学校、中学校、高等学校、大学への出張授業(環境教育・消費者教育)、
また企業への企業研修や講座に出向き、
食品ロスの啓発啓蒙に力を注いでいます。